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民法等の一部を改正する法律の施行について

昨年平成23年5月27日成立、6月3日に交付された、改正法が、平成24年4月1日に施行されることとなりました。

概要は次のとおりです。

○民法等の一部を改正する法律案の概要

児童虐待の防止等を図り,児童の権利利益を擁護する観点から,親権の停止制度を新設し,法人又は複数の未成年後見人の選任を認める等の改正を行うとともに,関連する規定について所要の整備を行う。

○親権の喪失の制度等の見直し

・2年以内の期間に限って親権を行うことができないようにする親権の停止制度の新設(民法)

・親権の喪失等の家庭裁判所への請求権者の見直し(民法,児童福祉法)

・施設長等の権限と親権との関係の明確化(児童福祉法)

法人又は複数の未成年後見人の許容(民法)

・里親等委託中及び一時保護中の児童相談所長の親権代行について規定(児童福祉法)

○その他

子の監護及び教育が子の利益のためにされるべきことを明確化(民法)

・懲戒に関する規定の見直し(民法)

・離婚後の子の監護に関する事項の定めとして面会交流等を明示(民法)

民法等の一部を改正する法律(法務省)

成年後見

成年後見制度とは、家庭裁判所が関与して、判断能力が十分でない方の権利を守り保護するための制度です。

 

例えば 預金の解約、福祉サービス契約の締結、遺産分割協議、不動産の売買等をする必要があっても本人に判断能力が全くなければ、そのような行為はできません。また、判断能力が不十分な場合に、これを本人だけで行うと、本人にとって不利益な結果を招くおそれがあります。

 

そのため、本人を援助する人が必要になってきます。そこで、家庭裁判所が援助者を選び、援助者が本人のために活動するのが成年後見制度です。したがって、単なる浪費者や性格の偏りがあるだけの場合には、この制度を利用できません。

 

成年後見制度には法定後見と任意後見の2種類があります。

 

「法定後見」には三つのタイプがあります。

 

(a)後見

本人の判断能力がまったくない状況。援助者として成年後見人が家庭裁判所より選任されます。

 

(b)保佐

本人の判断能力が特に不十分な状況。援助者として保佐人が家庭裁判所より選任されます。

 

(c)補助

本人の判断能力が不十分な状況。援助者として補助人が家庭裁判所より選任されます。

 

区分
本人の判断能力
援助者
後見 全くない 成年後見人 監督人を選任することがあります
保佐 特に不十分 保佐人
補助 不十分 補助人

 

「任意後見とは」

本人があらかじめ結んでおいた任意後見契約に従い、本人の判断能力が不十分になった時に、任意後見人が本人の権利と保護をおこなう制度です。家庭裁判所が、その必要を認めた時(任意後見監督人を選任した時)からスタートします。